少額訴訟
男性 29歳 会社員
昨年の秋、突然に裁判所から通知が届きました。その通知には、私がある出会い系サイトの使用料未払いで訴えられたと書いてありました。請求金額は35,000円でした。通知をよく見ると、確かに裁判所名や担当裁判官の氏名が書いてあり、印鑑も押されていました
。しかし、私にはまったく心当たりがありません。出会い系サイトに興味もなく、もちろん利用したことなど一度もありません。そのため、この通知は裁判所の名を借りた悪質な架空請求だろうと考えたのです。そのため、そのまま捨ててしまいました。一瞬警察に届けようかとも考えたのですが、その時点では実質的な被害はなく、無視していれば相手もあきらめるだろうと思ったのです。
しかし、数か月後、また裁判所からの通知が届きました。それは確定判決通知というもので、私に出会い系サイトの料金35,000円の支払いを命ずる判決がでたことが記載されていました。内容が内容ですから、さすがに今回は無視できず、裁判所に電話をして確認しました。すると、通知の内容に間違いないということでした。出会い系サイトを利用したことがないことを何度も伝えたのですが、すでに判決が出ているというだけでまったく埒があきません。
そこで、消費者生活センターに相談することにしました。担当者にその通知を確認してもらった結果、この通知に間違いはなく、法的に確定している以上私に支払義務があること、支払わないと給与などの差し押さえも行われることがわかりました。使ってもいない料金に対し、勝手に裁判で支払い命令を受けるなど、どうしても納得できませんでしたが、これ以上わずらわしい思いをしたくないため、仕方なく35,000円を振り込みました。
これは、一般にあまりなじみのない少額訴訟手続きを悪用したケースです。特に理由を示すことなく第3者に「お金の支払い」を求めて訴訟を起こすことは、比較的簡単にできます。通常は、支払根拠をきちんと示すことができなければ、訴えは棄却されるため誰もそんな訴訟を起こしたりしません。
しかし、この場合は、裁判所からの訴訟通知を無視してしまい、裁判へも出席せず、支払根拠への抗弁もしなかったため、判決が相手の言い分通りの判決となってしまいました。少額訴訟の場合は、いったん結審してしまうと控訴できませんから、この判決を受け入れざるを得ません。
では、どのように対処すればよいのでしょうか?このような通知を受け取った場合は、偽造の場合もありますから自分だけで判断せず、まず、消費者生活センターへ相談することをお勧めします。